【導入事例】データで顧客を”熱狂”させる!Brazeで切り拓くGiGOのゲームチェンジャー戦略とエンタメ経済圏 | Braze(ブレイズ)
2026-03-07 15:21 Diff

GENDA(ジェンダ)の事業の特長を教えてください。

株式会社GENDAは「世界中の人々の人生をより楽しく」というAspirationのもと、グローバルなエンターテイメントネットワークを構築し、「楽しさの総量」を増やすことを目指す企業です。主な事業は、アミューズメント施設「GiGO」やカラオケチェーン店「カラオケBanBan」などの運営です。現在、国内外で「GiGO」を含むアミューズメント施設や「カラオケBanBan」を合わせて約1,000店舗、ミニロケ(主に30台以下のゲーム機を設置するゲームコーナー)を約14,000箇所運営しています。

グループ会社である株式会社GENDA GiGO Entertainmentを取り巻くアミューズメント施設運営ビジネスは、これまでデータ活用が積極的に行われてこなかった業界です。ゲーム機を設置するだけで一定の収益が見込めるビジネスモデルであることや、レジがないため「ID-POS」のような顧客情報と購買履歴を紐づける仕組みの導入が遅れてきたことが背景にあります。しかし、このような状況においてこそデータを武器に「アミューズメント業界のゲームチェンジャー」となることを目指し、様々な取り組みを進めています。

その中核となるのが、ゲームプレイ料金の支払いやポイントの獲得・利用、サービス券の利用、会員グレードアップなどをスマートフォンで管理できる「GiGOアプリ」の展開です。さらに、2025年7月からは一部店舗で「GiGOリンク」というICカード連携不要でスマホをかざすだけでプレイ料金の支払いができるアプリの先行導入を開始しました。これにより、コイン投入の煩わしさを解消しつつ、「GiGOアプリ」の利用ハードルを下げ、より詳細な顧客データ取得を加速させる狙いがあります。

株式会社GENDA データインテリジェンス室 室長
株式会社GENDA GiGO Entertainment 執行役員 CDO 兼 DX推進室 室長
松沼 雄祐氏

Braze導入前、マーケティング活動においてどのような課題に直面していましたか。

Braze導入前、我々が目指していたのは「GiGOアプリ」で収集した顧客データを活用した「1to1コミュニケーション」の実現でした。しかし、そのための肝心なコミュニケーション基盤が全く整っておらず、顧客データは存在しても、個別のニーズに応じたパーソナライズ施策は事実上実施できていませんでした。当時実施できていたのは、アプリに登録された都道府県別や会員ランク別といった大まかなセグメントに分けられたユーザーに対し、月に1〜2回程度、キャンペーン告知を一斉配信する程度に留まっていたのです。

さらに、この限られた配信においても、数十万人に上るGiGOアプリ会員データは、サーバー負荷を避けるためにCSV形式で全てエクスポートした後、7,000ユーザーずつに分割し、手動で一つずつアップロードするという、非常に手間のかかる作業が必要でした。この状況は、カスタマージャーニーに沿った1to1コミュニケーションを展開するという目標の土俵にすら上がれていない状態でした。(坂田氏)

株式会社GENDA 経営戦略室 マーケティング
株式会社GENDA GiGO Entertainment マーケティング部 デジタルプロモーション課 課長 坂田 拓実氏

Brazeを選定した理由を教えてください。

Brazeを選定した理由は、スケーラビリティの高さです。当時、既にGiGOアプリの会員数は100万人近くに達しており、今後のM&Aによるグループ拡大や、多様なプロダクトとの連携を視野に入れると、大規模な配信に安定して耐えうるインフラを持つツールは必須条件でした。

GENDAは、アミューズメント、カラオケ、フード&ビバレッジ、コンテンツ&プロモーションなど、エンターテイメント領域で多岐にわたるサービスを展開しています。将来的には、これらのサービス間で相互送客を活発化させ、「GENDAエンタメ経済圏」を構築することを目指しています。既存のMAツールの中には、アプリやプロダクトごとにデータベースや施策実行環境が縦割りになり、サービス横断での管理・展開が難しいものが少なくありません。その点、Brazeは複数のサービスを横断したデータ連携やユーザー管理が可能であり、この「GENDAエンタメ経済圏」の実現に大きく貢献しうると判断しました。(松沼氏)

Braze導入にあたり、社内メンバーとはどのようなコミュニケーションがありましたか。

Braze導入にあたっては、社内メンバーの活用意欲を高めるためのコミュニケーションを重視しました。顧客コミュニケーション基盤がなかったため、他部署を巻き込んだ調整と連携が不可欠だったからです。

まず、定量的な効果を共有しました。「Braze導入で売上へのインパクトが見込める」と具体的に試算し、データドリブンな事業推進に不可欠なツールであることを明確に伝えました。これにより、「投資がなければバリューを発揮できない」とまで言い切り、社内、特に開発メンバーに導入の意義を納得してもらうことができました。

次に、ロードマップを提示しました。フェーズを1から4に分け、「既存施策のリプレイス」から「リアルタイム性を追求したCX最適化」までの長期的な展望を共有することで、Brazeへの期待感を高めました。導入当初は、構想が広がりすぎて学習・実装コストが高くなるという課題もありましたが、新しい施策とその価値を明確に伝えることで、社内全体のモチベーション向上に繋げました。

現在のチーム体制は、マーケティング担当者が施策の立案・実行を、プロダクトマネージャー(PM)がBrazeのロードマップに深く関与しています。PMはプロダクト開発とCRMを切り離さず、顧客体験実現のために機能開発とBraze活用どちらが最適かをすり合わせ、エンジニアと連携しています。(坂田氏)

Brazeを用いてどのような施策を展開し、どのような効果がありましたか。

主に、ゲームセンターへの来店率や客単価の向上を目的として、特定の条件に合致したユーザーに対してクーポン券を配信しています。お客様の「足を運ぶ」というハードルを乗り越えてもらうために、クーポンは不可欠だと考えています。

例えば「雨の日施策」では、 ユーザーの現在地付近の天気予報が雨の場合に、クーポン券をプッシュ通知で配信する施策です。外部の天気予報APIから情報を取得し、GiGOアプリに登録されたユーザーの居住地情報(都道府県)と連携させることで、雨天が予想されるエリアにいるユーザーに絞って配信しています。この施策は来店率が低迷しやすい雨の日の来店を促進することを目的としていましたが、来店率6%増加という成果を達成しました。同時に売上インパクトもあり、年間のBraze利用料を十分にペイする効果があることが確認できました。この施策は当初東京都限定でテストしていましたが、現在では全国展開しています。

「雨の日施策」のクーポンの一例

また「開業販促施策」は、 新店を開業する際、その新店と同じ都道府県にある店舗をアプリで「マイゲーセン」として登録している既存のアプリ会員に対し、新店限定のクーポン券を配布する施策です。新店の立ち上げ時にはスタートダッシュが非常に重要ですが、この「開業販促施策」によって、新店への来店率が47%も増加し、新店スタッフからも喜びの声が上がっています。

さらに「相互送客施策」では、 ゲームセンターを訪れたユーザーに対して、近くにあるGENDAの他店舗、例えばレモネード専門店「LEMONADE by Lemonica」で利用できるクーポン券をリアルタイムで配信しています。来店中のユーザーが、近くの他グループ店舗で使えるクーポンを受け取ることで、利用率が非常に高く、「GENDAエンタメ経済圏」の実現に向けた重要な一歩となっています。(坂田氏)

これらの施策では、主にBrazeのWebhook機能を使用してクーポン配布リクエストを自社サーバーに送り、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、メールをメッセージングチャネルとして活用しています。特にプッシュ通知とアプリ内メッセージが中心ですが、プッシュ通知をオフにしているユーザーへのリーチを補完するためにメールも利用しています。(松沼氏)

今後のBraze活用の展開を教えてください。

具体的な取り組みとしては、お客様の行動や状況に応じた、よりパーソナルなコミュニケーションの実現を目指します。例えば、ビーコンを活用した来店検知で、入店時や退店後の顧客体験を最適化し、クレーンゲームでの景品獲得有無に応じたメッセージ配信や、退店後にはNPS(顧客推奨度)などのアンケートを送信し、顧客体験分析とPDCAサイクルを回していく方針です。また、BrazeのAI機能でチャーン予測を行い顧客ロイヤルティの最大化を図ったり、アンケート機能で「誰のために遊んでいるか」といった来店目的の定性データを取得し、深い顧客インサイトに基づいたコミュニケーションを展開していきたいと考えています。

「GENDAエンタメ経済圏」の推進に向け、グループ横断の共通アカウントである「GENDA ID」を軸とした、共通ポイントプログラムの構築を進めています。この構想の鍵を握るのは、サービス間での相互送客であり、Brazeがプロダクトの垣根を越えたパーソナライズ施策を可能にするため、その中核を担うツールとしてグループ会社全体への横展開も視野に入れています。(松沼氏)